日本の四季を楽しむ
五節供の室礼
新年を迎え新たな気持ちでまた一年を過ごしたいと思います。
ただ、残念ながら昨日、大阪でも緊急事態宣言が出されました。
自宅で過ごす時間がまた増えそうです。そんな中、日本の独自の文化に改めて目を向け、節供などの室礼を楽しんでみてはいかがでしょうか。
今回は五節供についてお話ししたいと思います。
明治なって太陽暦が採用されるまで、太陰太陽暦という暦(旧暦)を使用していました。旧暦は一年を四季に分けその四季を十二月二十四節気としました。この「節」こそ季節の節目であり、宮中においては「節会/せちえ」と呼ばれる宴が催されました。
一年の節目となる「節日」はもともと中国から伝えられた風習と日本固有の「節」がしだいに融合しながら固定されていきました。
その後、江戸時代に幕府が公的な行事・祝日として定めたのが「五節句」です。
一月七日「人日/じんじつ」:七草の節供
三月三日「上巳/じょうし」:桃の節供
五月五日「端午/たんご」:菖蒲の節供
七月七日「七夕/しちせき」:七夕
九月九日「重陽/ちょうよう」:菊の節供
五節句はもともと「五節供」と表されるように、それぞれの節句にちなんだ室礼をし、「御節供/おせっく」と呼ばれる祝儀料理を神様に供え、それをともに饗する行事でした。これがお正月に食べる「おせち」になったと考えられています。